2006年 03月 16日
春の雨 |
雨だ、
多分久しぶりの雨じゃなかろうか、そう思った。
夕方を過ぎて、カーテンを閉めた室内にいて、
雨の気配、その独特の静けさを感じた。
カーテンを開けると、ベランダの
床のコンクリートがすべて雨でぬれていた。
水溜りのように。
窓を開けて、雨の空気を吸い込むと、
なんともいえない穏やかな気持ちになった。
少し寒いが、でも、空気はいつもより温い。
これは確かに春だ。
春の雨だ。
風邪から、開放されつつある子どもたちは、
いつもより早く寝てしまった。
雨の静けさに吸い込まれるように
布団に入り、絵本を一冊読んだだけで、
すーっと寝入ってしまった。
私の両側から聞こえてくる
静かなふたりの寝息に、
どんどん私も眠りに吸い込まれそうになる。
久々におとずれる、一人の静かな時間だ。
おもちゃが散乱した部屋、
たたまれるのを待っている洗濯物を
とりあえずそのままに、
お茶を淹れていすにすわることにする。
ひさびさに静かな音楽でも聴こうと、
ラヴェルやドビュッシーのピアノ曲をかける。
しばらく、雨の音とピアノの静かな音が
混じるのにぼーっと耳を傾ける。
春は、一つの終わりであり、
また始まりでもある。
新たな気分になるのは、なかなか悪くない。
雨の夜は、
春のうごめきと新鮮な空気を
滞りがちだった胸に
運んできてくれた。
おしゃべりゆわかし
佐藤 さとる 村上 勉 / あかね書房
多分久しぶりの雨じゃなかろうか、そう思った。
夕方を過ぎて、カーテンを閉めた室内にいて、
雨の気配、その独特の静けさを感じた。
カーテンを開けると、ベランダの
床のコンクリートがすべて雨でぬれていた。
水溜りのように。
窓を開けて、雨の空気を吸い込むと、
なんともいえない穏やかな気持ちになった。
少し寒いが、でも、空気はいつもより温い。
これは確かに春だ。
春の雨だ。
風邪から、開放されつつある子どもたちは、
いつもより早く寝てしまった。
雨の静けさに吸い込まれるように
布団に入り、絵本を一冊読んだだけで、
すーっと寝入ってしまった。
私の両側から聞こえてくる
静かなふたりの寝息に、
どんどん私も眠りに吸い込まれそうになる。
久々におとずれる、一人の静かな時間だ。
おもちゃが散乱した部屋、
たたまれるのを待っている洗濯物を
とりあえずそのままに、
お茶を淹れていすにすわることにする。
ひさびさに静かな音楽でも聴こうと、
ラヴェルやドビュッシーのピアノ曲をかける。
しばらく、雨の音とピアノの静かな音が
混じるのにぼーっと耳を傾ける。
春は、一つの終わりであり、
また始まりでもある。
新たな気分になるのは、なかなか悪くない。
雨の夜は、
春のうごめきと新鮮な空気を
滞りがちだった胸に
運んできてくれた。
おしゃべりゆわかし
佐藤 さとる 村上 勉 / あかね書房
by crayon-pastel
| 2006-03-16 23:00
| life